レッドバグ(Tegastes acroporanus)の治療方法

アメリカでは、レッドバグTegastes acroporanus)といわれるサンゴを食べる寄生虫の報告があります。見た目はコペポーダみたいなやつなのですが、非常に厄介者です。

画像は、インターネットからの引用

サンゴにつくヒラムシとは違い動き回ります。この寄生虫の駆除方法ですが、海外では犬など動物のフィラリア駆除に使用するInterceptorというmilbemycin oxime成分が入ったもので行います。
普通には手に入らないので獣医にお願いして処方箋をもらわないとアメリカでは買えません。日本でこの方法で入手できるか微妙ですが、私はアメリカで獣医に事情を説明して「魚」用にちゃんと処方してもらいました。
SPSをはじめ、サンゴには全く安全のようです。SPSのポリプが全開になるという報告もありますから、びっくりです。しかしながら、水槽内のカニ、エビには悪影響があるらしいので、事前に出す必要はあるとのことです。

誰がはじめにこの方法を水槽にやりだしたのかというと、ORAのDustin氏という方だそうです。

写真は、Greg Ho氏とwww.ximinasphotography.comから引用
写真は、Advanced AquaristのDana Riddle氏の記事から引用

Interceptorの使用方法

  • 10Gal(約40L)の水槽のレッドバグを駆除するのに25mgのInterceptorが必要なようです。
  • 水槽に投与する前に、活性炭、殺菌灯、オゾンは止める必要があります。
  • 水槽からエビ、カニなどは影響があるので取り出しましょう。
  • Interceptor錠剤は細かく砕き、少量の飼育水に溶かしてから投与しましょう。
  • Interceptor投与後、6時間後に最低25%の水替えをし、同時に活性炭も使用しましょう。
  • 24時間後に更に水替えをし、活性炭も新しいものに取り換えましょう。(水替えは多いほうがよい。)
  • この治療を最低3回する必要があります。各治療の間隔ですが、人それぞれのようです。大体各治療の間隔は1週間以上のようです。
  • 50-100LBの犬用のInterceptorは、約23mgのmilbemycin oximeが含まれています。


実水量150Gal(約600L)の水槽を治療する場合、375mgのmilbemycin oximeが必要になります。50-100LB用のInterceptorだと約16.3錠必要になります。
これは一度の治療ですので、最低3回ということは約50錠のInterceptorが必要になると思われます。

参考
Aquarium Corals: Stony Coral Parasites: Red and Black Bugs: Identification Guide, Preventive Measures, and a Review of Treatment Protocols
The “CURE” for Red Acro Bugs

 

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